株式会社産業数理研究所Calc

Calc産業数理フォーラム

 産業数学とは何か?具体的に何を指し、どのように活用されているのでしょうか?

 Calc産業数理フォーラムでは、産業と数学の接点を探りながら、産業数理の基礎概念や最新の応用事例を紹介します。また、数理科学が実際の問題解決にどのように役立つのか、産業界と学術界の連携の可能性についても考察します。数学の理論と現実世界の課題が交わる最前線に触れ、産業数理の魅力を感じていただける機会となれば幸いです。

 数学が産業とどのように結びつくのか興味のある方は、ぜひご参加ください。

近接作用素による凸最適化入門(スパースモデリングの基礎と応用)

開催期間:2025/03/21(金) 15:00〜16:00 
場所  :Zoom

講演者 :永原 正章 教授(広島大学 大学院先進理工系科学研究科)

永原 正章 教授

略歴:愛媛県生まれ.1998年神戸大学工学部卒業,2000年京都大学大学院情報学研究科修士課程修了,2003年同博士課程修了.博士(情報学). 京都大学助手,助教,講師,北九州市立大学環境技術研究所教授を経て,現在広島大学大学院先進理工系科学研究科教授.また,同年よりインド工科大学ムンバイ校 (IIT Bombay),2020年よりインド工科大学グワハティ校 (IIT Guwahati)の客員教授を兼任. 専門分野は制御理論と機械学習.IEEE制御システム部門より国際賞である Transition to Practice Award(2012年) および George S. Axelby Outstanding Paper Award(2018年)をそれぞれ受賞. そのほか,計測自動制御学会や電子情報通信学会の論文賞など, 受賞多数.IEEEの上級会員 (Senior Member).著書に Sparsity Methods for Systems and Control (Now Publishers) や「スパースモデリング」(コロナ社),「マルチエージェントシステムの制御」(コロナ社,SICE著述賞受賞),「ネットワーク化制御」(コロナ社,SICE著述賞受賞)などがある.


概要 
 近年、機械学習や信号処理などの分野で、凸最適化と呼ばれる数理計画法が注目されています。凸最適化は、制約条件や目的関数が凸関数で表される最適化問題を指し、多くの場合、「よく知られた微分」では扱えない関数(以降、微分不可能な関数)を含んでいます。
 近接作用素は、この微分不可能な凸関数を扱う上で非常に強力なツールとなります。近接作用素を用いることで、微分可能な関数に対する最適化手法を、微分不可能な関数を含む問題へと拡張することができます。
 本講演では、近接作用素の基礎概念について解説し、近接作用素を用いた近接分離法、近接勾配法、ADMM (Alternating Direction Method of Multipliers) などの代表的なアルゴリズムを紹介します。 特に、スパースモデリングで頻出するL1ノルム正則化項を含む関数の最小化問題 (LASSO) を例題として、これらのアルゴリズムがどのように有効であるかを具体的に説明します。

【講演のポイント】
・近接作用素の基本と性質

・近接分離法、近接勾配法、ADMMのアルゴリズム
・スパースモデリングにおけるL1ノルム正則化(LASSO)
・産業界における具体的な活用事例

【受講対象者】
・企業の技術者・研究者
・機械学習に興味のある方
・数理最適化の基礎を学びたい方

 本講演を通して、近接作用素を用いた凸最適化の基礎を理解し、様々な分野への応用可能性を感じていただければ幸いです。

参加を希望される方は下記フォームにご記入ください(Zoom URL は後日メールにて送付いたします)

 

https://forms.gle/W2ip2CxgmHD7qdLv6


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